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2006/12/14 01:24
1 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:27:25.95 ID:FPzNTvwA0
○の月×の日
「近頃、配下の者共の間で噂の勇者とやらをお忍びで見に行った。
驚いた事に勇者は女だった。
しかもたった一人で私の配下を倒していた。
きっと、もうすぐ私の所までやってくるに違いない。
全く一体私が何をしたというのだ。
もしやお腹が空いて民家のおやつを盗み食いした事がバレたのだろうか。
怖い。」
6 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:30:05.40 ID:FPzNTvwA0
○の月△の日
「勇者が段々近付いてきている。
怖くて眠れない。
どうしてあの時おやつを盗み食いしてしまったのだろう。
私のバカ者・・・。」
○の月×の日
「近頃、配下の者共の間で噂の勇者とやらをお忍びで見に行った。
驚いた事に勇者は女だった。
しかもたった一人で私の配下を倒していた。
きっと、もうすぐ私の所までやってくるに違いない。
全く一体私が何をしたというのだ。
もしやお腹が空いて民家のおやつを盗み食いした事がバレたのだろうか。
怖い。」
6 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:30:05.40 ID:FPzNTvwA0
○の月△の日
「勇者が段々近付いてきている。
怖くて眠れない。
どうしてあの時おやつを盗み食いしてしまったのだろう。
私のバカ者・・・。」
7 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:33:39.72 ID:FPzNTvwA0
○の月□の日
「そういえば勇者が近付いているというのに配下がピンピンしている。
気になったので聞いてみると、勇者はとどめを刺さずに
見逃してくれているらしい。
なんだか優しい人間のようだ。
少し怖くなくなった。」
9 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:39:40.46 ID:FPzNTvwA0
○の月○の日
「再び勇者を見に行く事にした。
勇者は疲労で、とても辛そうな顔をしていた。
可愛そうだったので、それとなく配下に回復薬を落とすよう
指示を出した。
元気になるとよいのだが。」
14 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:44:27.10 ID:FPzNTvwA0
○の月▽の日
「配下の報告によると、勇者は回復薬を飲んだらしい。
元気になった勇者の顔が浮かぶようだ。
あれ程怖かった勇者が今は怖くない。
きっと話せばわかりあえる。
そんな気がする。
こんな事を考える私は魔王失格だろうか。」
19 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:51:01.39 ID:FPzNTvwA0
○の月◇の日
「配下の報告によると勇者は明日にでも到着するようだ。
気に入ってもらえるかわからないが精一杯歓迎をしよう。
こんなにもワクワクするのは配下の誕生日以来だ。
どうか明日が良き日になりますように。」
26 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:56:12.05 ID:FPzNTvwA0
×の月○の日
「なんという事だ。
楽しみにしていたのに、勇者の到着が遅れるという。
せっかく腕をふるってご馳走を用意したというのに。
仕方ないので一人で食べた。
ご馳走なのにあまり美味しく感じなかった。」
36 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:01:46.66 ID:FPzNTvwA0
×の月□の日
「悲しい。
ついに勇者がやってきた。
しかし勇者は私の歓迎を受けずに、戦えとしか言わない。
どうして。
盗み食いの事で怒っているのだろうか。
わからない。
戦おうとしない私を見て勇者は去った。
とても辛い。」
48 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:05:27.42 ID:FPzNTvwA0
□の月▽の日
「あれから勇者はこない。
考えたらこれでいいはずなのに。
けど寂しい。
配下の者が慰めようとしてくれているのが辛い。
なぜ私は魔王なのだろう。」
57 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:09:04.75 ID:FPzNTvwA0
□の月○の日
「私は自分の思い付きが恐ろしい。
そうだ。勇者がこないのならこちらから行けばいいのだ。
そうと決まれば、早速配下の者に勇者の動向を探らせなければ。」
63 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:18:35.38 ID:FPzNTvwA0
□の月×の日
「呆気なく勇者は見つかった。
配下の報告では、私を見逃した罪とやらで
牢屋に入れられてしまっていたらしい。
なんという事だ。
人間の為に頑張った勇者を閉じ込めるなんて。
待っていろ。必ず私が助けてやる。」
68 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:27:48.89 ID:FPzNTvwA0
▽の月×の日
「今日は大変な一日だった。
久し振りに会った勇者は可愛そうにとてもやつれていた。
しかし、強い瞳の輝きだけは失われていなかった。
良かった。本当に良かった。
人間達はまた勇者に私の討伐を命じていた。
けど勇者があのまま牢屋に入れられているよりずっといい。」
78 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:35:22.93 ID:FPzNTvwA0
▽の月○の日
「とても清々しい気分だ。
きっと勇者はまたやってくるだろう。
けど今度は戦ってみせる。
勇者の為にも。
何より自分の為にも。
戦って、そして何度でも逃げてみせる。
それがきっと私の役目なのだろうから。」
92 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:44:32.88 ID:FPzNTvwA0
▽の月□の日
「今日は配下の者と共に新しい住処探しをした。
上手く勇者から逃げられても、逃げる場所がないといけない。
こうして転々としていけば私も勇者も大丈夫だ。
我ながら実に良い考えだ。
配下の者共も褒めてくれた。
嬉しい。
ただ勇者に伝える事ができないのが酷く残念だ。」
99 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:51:31.33 ID:FPzNTvwA0
▽の月△の日
「新しい住処が見つかった。
薄暗く深い森だが、近くに美しい湖畔があるのが素晴らしい。
色々と散策をしたい所だが、疲れているのでお預けにした。
勇者と一緒にあの美しい湖畔を眺めたいものだ。」
107 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:57:00.30 ID:FPzNTvwA0
▽の月◇の日
「驚いた。
誰もいないと思っていた湖畔に住人がいた。
住人達は初め酷く私を警戒したが、必死の説得で
近くに住む事を許してくれた。
彼女達とも仲良くなりたいものだ。」
117 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:04:56.21 ID:FPzNTvwA0
△の月○の日
「困った。
湖畔の住人の一人が私の配下になりたいと申し出てきた。
しかし彼女はまだ住人の中でも歳幼い。
万が一、戦闘に巻き込んでしまっては大変だ。
だが彼女の決意は固いようだ。
どうしたものか。
勇者が一人なのはこの為なのだろうか。」
128 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:14:02.42 ID:FPzNTvwA0
△の月×の日
「無事に新しい住処も見つかったので、
明日は急いで元の住処へと帰らなければ。
もし勇者が来た時、私が居なかったら大変だ。
それと湖畔の彼女はここの管理を任せる事にした。
少し残念そうだったが、私の意志を汲んでくれたようだ。
次に会う時はお土産を持っていかないと。」
140 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:46:11.45 ID:FPzNTvwA0
△の月□の日
「危なかった。
配下の者の報告により、勇者が後1日で到着する事が判明。
急いでドラゴンに乗って向かわねば。
しかし私は高い所が怖い。
勇者よ・・・。どうか私に勇気を。」
145 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:14:11.53 ID:FPzNTvwA0
△の月▽の日
「無事に勇者と会う事ができた。
勇者は私を見ると、静かに剣を構えて向かってきた。
しかし攻撃が一つも私に当たらない。
具合でも悪いのだろうか。
勇者が辛そうにしていたので、当たってみた。
痛かった。
でも勇者が喜ぶなら構わないと思ったのに、当の勇者は
辛い顔のままだった。
どうしてそんな顔をする?
とりあえず、予定通り捨て台詞を残して撤退した。」
ここで勇者側の日記も書いてみたいと思ったのですが、どうでしょ?
146 :猪(甘党): 投稿日:2006/12/11(月) 22:16:06.67 ID:n5ewfNqX0
まず魔王日記を完結させてから目明し編の方が面白い気がする
けどやっぱ自分の書きたいように書いたほうがいいな
147 :初夢(空も飛べるはず): 投稿日:2006/12/11(月) 22:16:50.99 ID:hp+opTECO
>>145
是非に!是非に!!
148 :かき初め(二回目): 投稿日:2006/12/11(月) 22:17:03.44 ID:sgkD29DV0
とにかくwktkするのみ
GJですよ
149 :VIP皇帝: 投稿日:2006/12/11(月) 22:18:21.55 ID:buarz6/TO
作者様に任せます。
個人的にはちょっと見たいw
153 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:35:26.92 ID:FPzNTvwA0
>>146-149
とりあえず魔王の方が一段落ついたら書いてみようかと思います。
もしくはネタに詰まったら・・・。
>>150
ごもっともですorz
△の月△の日
「傷の為、思うように体が動かない。
思ったより深かったようだ。
予定よりも移動速度が思わしくない。
配下の者が運ぶと申し出てくれたが、甘える訳にはいかない。
私は魔王だから。
魔王は決して・・・・・・・・・───」
157 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:54:16.43 ID:FPzNTvwA0
◇の月○の日
「昨夜は傷と疲労で撤退途中で力尽きてしまったようだ。
今もまだ意識が朦朧としているが、昨夜見た夢が忘れられない。
勇者が私を介抱してくれるなど夢に決まっている。
きっと巻かれた包帯も配下の者がしてくれたのだろう。
そう思うのに配下に確認したい私がいる。
いや、やはり止めておこう。
皆も疲れているだろうし、今は早く撤退する事が大事だ。」
170 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 23:38:27.62 ID:FPzNTvwA0
◇の月□の日
「どうにか無事に撤退できたようだ。
出迎えてくれた彼女は私の姿を見て気を失ってしまった。
それ程酷い姿なのだろうか?
彼女を介抱しようとしたが、配下に休むよう言われてしまった。
ここは彼の言う事に甘えさせてもらう事にする。」
176 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 23:58:09.69 ID:FPzNTvwA0
◇の月△の日
「皆の献身的な治療のおかげで、体はすっかり元に戻った。
なのに私の心には言い知れぬ思いが渦巻いている。
私を傷つけた時の勇者の表情が忘れられないのだ。
配下を見逃してくれる程の心優しい勇者の事だ。
例え私相手でも傷つけるのは忍びなかったのだろうか。
考えれば考えるほどわからなくなる。」
182 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:11:13.05 ID:HGkBulaZ0
◇の月▽の日
「今日は湖畔の住人達が遊びにきてくれた。
しかもお土産に湖畔の近くにある珍しい木の実を持参して。
こんなにも楽しい気分は随分久し振りな気がする。
そう言えば、彼女にお土産を用意するのを忘れてしまっていた。
仕方ないので彼女にその事を詫びると、
私が無事に戻っただけで十分だと言ってくれた。
こんなにも慕われて、私は本当に幸せ者だ。」
189 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:35:52.07 ID:HGkBulaZ0
◇の月×の日
「今日ほど人生で驚いた日はない気がする。
湖畔を散歩していると静かに佇む勇者の姿があった。
また戦いを挑まれるかと思ったのに勇者は私を見つめるだけだった。
そういえば、いつだったか勇者と湖畔を眺めたいと願ったが・・・。
まさか本当に叶う日が来るとは思ってもみなかった。
また会えるだろうか。」
193 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:50:59.64 ID:HGkBulaZ0
○の月○の日
「ここの所気分が沈みがちだったが、昨日の勇者との出逢いで元気が出た。
せっかくなので明るく過ごしてみた。
皆も嬉しそうな顔だった。
やはりどんな時も元気を失ってはいけないな。
直接伝える事はできないが、勇者に感謝だ。」
199 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 01:10:31.74 ID:HGkBulaZ0
○の月▽の日
「今日は暇だったので魔王の練習をしてみた。
先代の残した記述によると、魔王とは「引かぬ!媚びぬ!省みぬ!」存在らしい。
何やら私には難しそうだが、頑張ってみるとしよう。」
326 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:13:53.27 ID:HGkBulaZ0
○の月×の日
「やはり勇者の事が気に掛かる。
今思えば湖畔で遇った時、あの強く輝いていた瞳に陰りがあった気がする。
どうにかして勇者と会う事はできないだろうか。
いや、仮に会えたとしても魔王と勇者。
相容れぬ存在なのだから、ゆっくり会話なぞできるはずもないのだが・・・。
どうしたらよいものか。」
335 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:25:27.78 ID:HGkBulaZ0
○の月□の日
「今日はとても嬉しい出来事があった。
なんと湖畔の住人が変化の方法を知っているという。
ただ、その為には色々と必要な物があるらしいのだが関係ない。
絶対に集めて勇者に会ってみせる。」
341 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:37:02.28 ID:HGkBulaZ0
○の月◇の日
「なんという事だ。
後一つ。
後たった一つなのに、必要な物が足りないなんて。
いや、まだだ。
絶対に諦めない。
私は勇者に会うのだ。
その為ならば無い物だって見つけだしてみせる。」
350 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:51:21.02 ID:HGkBulaZ0
×の月□の日
「こんなバカな話があるものか。
最後に必要な物が、湖畔の住人だなどと。
誰かを犠牲にして得られる物など、私は欲しくない!
この話は聞かなかった事にしよう。
まだ別の方法があるはずだ。」
355 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:11:02.86 ID:HGkBulaZ0
×の月▽の日
「たまに私は自分の愚かさを恥じる事があるが、
今日は特別酷い。
湖畔の住人が必要だといっても、別に犠牲になる訳ではなかった。
たまたま条件に合う住人が居ないだけの話だったのだ。
本当に私は愚か者だ。
だが、愚かついでに願わくば勇者に会える方法が見つからん事を。」
359 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:24:51.36 ID:HGkBulaZ0
×の月△の日
「欲する物とは、存外近くにあるものだ。
最後に必要な湖畔の住人。
それは彼女の事だった。
私が頼むと、彼女は快く承諾してくれた。」
363 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:40:03.65 ID:HGkBulaZ0
×の月○の日
「ついに勇者に会う為の準備は整った。
だが気分は晴れない。
それというのも今日の出来事が原因だ。
日記を付けている時に彼女に呼ばれた時は、
まさかあんな事を問われるとは思わなかった。
勇者に対する私の思い。
それは一体何なのだろう。
勇者に会えばわかるのだろうか。」
366 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:56:14.11 ID:HGkBulaZ0
×の月×の日
「勇者の滞在地がわかった。
後は私が人間に化けて会いに行くだけなのだが、何故か心がざわめく。
やはり彼女に問われた事がひっかかっているのか。
今は考えるのをよそう。
会えばきっとわかる。
そんな予感がする。」
370 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 20:20:10.44 ID:HGkBulaZ0
×の月◇の日
「久し振りの人間の街。
私達の住処と違って、何処か空気が淀んでいる感じがする。
以前おやつを盗み食いに行った村も、こんな感じではなかった。
思えばあれが全ての始まりだった。
勇者は本当にこんな場所に居るのだろうか。」
385 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 20:46:23.71 ID:HGkBulaZ0
□の月○の日
「勇者に遇えた。
驚く事に勇者は私を一目で見破った。
まさか私の事を見抜かれるとは思っても見なかった。
だが勇者は最初こそ、驚きはすれども何をするでもなく、
まるで親しい友人のように宿泊している宿へと招いてくれた。
優しく語り掛けてくる姿は、勇者とは思えない程歳相応の少女にしか見えない。
しかし瞳だけは優しくも強い光を放ち、
彼女が紛れもない勇者である事を示していた。」
390 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 21:00:06.47 ID:HGkBulaZ0
□の月○の月(続き)
「とても不思議な気分だった。
勇者とは特別話をした事がある訳でも、長い時間を共にした訳でもないのに。
何故こんなにも心が安らぐのだろう。
勇者の淹れてくれるお茶が美味しい。
勇者の他愛のない話が心地よい。
勇者の笑顔が美しい。
勇者の全てが・・・とても愛おしい。
そうか。今ならわかる。
これが私の勇者への思いなのだと。
夢のような時間もいつかは終わりを告げるだろう。
だが、願わくばもう少しだけこの時を過ごしていたい。」
400 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 21:16:31.15 ID:HGkBulaZ0
□の月◇の日
「私と勇者が、ただの男と女である時間は終わった。
また今日から私達は魔王と勇者になる。
しかしもう、何の迷いも不安もない。
あるのは私が魔王で彼女が勇者であるという事。
世界よ。
私はもう逃げない。
どんな運命があろうと必ず抗い続けてみせる!」
と某ジャ○プの連載打ち切りっぽい幕引きの所で勇者側を投下したいと思います。
イ チ オ ウ カ ン ケ ツ ッ ポ イ デ ス ヨ ネ ?
はい、大いに冗談です。あ、そこ石はらめえぇぇぇぇぇ!11!
投下は事実ですが魔王側の日記もまだ続きます。
それとなんだか自分の一人舞台みたいになってしまっているので
他の書き手の皆様も書いて下さると新ジャンル的には大変嬉しく思います。
それではしばし外出してこなければならないので、行って参ります。
442 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:24:56.20 ID:HGkBulaZ0
それではしばし勇者側の日記を投下させて頂きます。
なお、わかりやすいように魔王日記は「」、勇者日記は『』でくくらせて頂いております。
○の月×の日
『教会から魔物の森に居る魔王を滅ぼせとの勅命を受けて数日。
旅は順調に進んでいる。
魔物が予想外に手強いが、殺すまでもない。
このまま行けば明日にでも近くの村に辿り着けるはずだ。』
451 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:39:21.80 ID:HGkBulaZ0
○の月△の日
『村で魔王に関する情報収集をした。
一体どんな非道を行っているのかと思えば、何もないという。
そんなバカな話があるものかと思ったが、唯一あった事は
食べようと思っていたおやつがなくなった事くらいだと。
本当にこの先に魔王がいるのか?
不安になってくる。』
456 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:56:57.93 ID:HGkBulaZ0
○の月□の日
『魔物の森とは言ったものだ。
少し進めばワラワラと魔物と遭遇する。
だが、不思議な事に魔物はあたしを見て襲ってくるものの
その様子は殺意というよりも、大切なモノを守る為のような感じがする。
今まで戦ってきた魔物と、ここの魔物は何処か違う気がする。』
460 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:14:11.32 ID:L+dgg3mE0
○の月○の日
『さすがに疲れた。
何処を見渡しても延々と続く深い森に、数多の魔物。
何より一人というのが、やはり精神的にこたえているようだ。
自分が望んだ事で弱気になるとは。
明日からまた頑張らねば。』
467 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:35:49.54 ID:L+dgg3mE0
○の月▽の日
『今日退けた魔物がとても強力な回復薬を落とした。
魔物の実力に似合わぬ収穫に驚いたが、この森では何があっても
不思議ではないかもしれない。
ありがたく頂く事にした。
さぁ、魔王の住処まで一気に頑張るぞ。』
471 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:52:10.72 ID:L+dgg3mE0
○の月◇の日
『おかしい。
あまりにも順調過ぎる。
この森の異常に慣れて忘れていたが、相手は魔王。
もしやこれこそが魔王の罠なのかもしれない。
ここは慎重に行くべきかもしれない。』
474 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:04:34.05 ID:L+dgg3mE0
×の月□の日
『ついに魔王の住処に辿り着いた。
だが私を出迎えたのは溢れんばかりの魔力に包まれた魔王ではなく、
エプロン姿の変な魔物だった。
思い出すだけでも、未だにあれが魔王だったとは信じられない。
あたしが戦えと言っても、困った表情を浮かべるばかり。
もしや本当の魔王は別に居て、あれは影武者だったのだろうか。
いや、見た目はおかしかったが感じる気配は間違いなく
魔王の名に相応しいモノだった。
あたしはどうすれば良かったのだろう。
結局何もせずに放っておいてしまったが・・・。
とりあえず一度教会へ戻ろう。
何かの間違いだったのかもしれない。』
480 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:20:39.32 ID:L+dgg3mE0
×の月◇の日
『迂闊だった。
まさか教会が監視役を付けていたとは。
後日、あたしは魔に魅入られたとかで異端審問に掛けられるようだ。
どうなるかはわからない。
所詮、勇者と呼ばれても実態は教会の犬に過ぎないのだ。
用がなくなればこんなものなのかもしれない。
ただ何故か時折、魔王の事が脳裏に浮かぶのだから魅入られたというのも
間違いではないのかもしれない。』
485 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:39:42.04 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
『囚われ朽ち果てるだけと半ば生を諦めていた。
そんな時にあの魔王がやってくるとは。
これは運命なのか?
あたしに魔王を滅ぼせという天啓なのだろうか。
いや、きっとそうに違いない。
ならばあたしは従おう。
教会の命令など知った事ではない。
あたしが従うのは勇者としても使命。
必ずやこの手で魔王を打ち滅ぼす!』
489 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 02:05:23.84 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
『もう二度と戸惑わない。
例え相手が何であろうと、必ず倒す。
それがあたしの勇者としての使命。』
もう少し進めたかったのですが、そろそろ寝ないと明日に障るので
本日はここまでとさせて頂きます。
支援して下さった皆様に多大な感謝を。
632 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/13(水) 18:45:11.76 ID:L+dgg3mE0
闇の季節○の日
「我が魔王城に勇者共が近付いてると報告があった。
ふざけた事に奴等は魔王討伐の装備を持っていないという。
実に愚かな連中だ。
そんな愚か者達は我が手で伝説の武具の場所まで案内してくれる。
全く、手の掛かる勇者共で困ったモノだ。」
633 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 18:47:25.07 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
『嫌なモノを見た。
人間達が無抵抗の魔物を襲っている姿。
人間と魔物は相容れぬ存在。
お互いを見れば戦うがさだめ。
なのに何故、あの光景を見て嫌なモノだと感じる。
わからない。』
636 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 19:02:28.62 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
『昨日のモヤモヤが晴れない。
吹っ切るように何度剣を振るっても心が晴れない。
もうすぐ以前立ち寄った村に着く。
そこで頭でも冷やす事にしよう。』
645 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 19:54:50.85 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
『人間と魔物が共存する。
そんな事在り得るはずがない。
たまたま立ち寄った村の外れの一軒家。
そこに魔物の姿を確認したあたしは、村に害をなす前に
倒そうとするが一人の男が立ちはだかった。
男は魔物を庇い、自分の妻だと言い出した。
きっとこの男は魔物に魅了されているのだと思ったのに
魔物は自分の命を差し出すから男を見逃してくれと懇願し出した。
訳がわからない。
結局魔王の時と同じ過ちを繰り返してしまった。
勇者は魔を滅ぼす者。
だけど、あたしは・・・。』
648 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:08:34.52 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
『気分が悪い。
あたしは勇者だ。
だから魔を滅ぼす。
そう決めたはずなのに。
そう自分に誓ったはずなのに。
一体あたしはどうしたというのだろう。』
649 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:09:45.86 ID:L+dgg3mE0
△の月□の日
『握る剣が重い。
気が付けば魔王の住処まで後僅かだ。
魔王を滅ぼせばこのモヤモヤも消えるのだろうか。』
651 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:11:38.39 ID:L+dgg3mE0
△の月▽の日
『魔王と対峙した。
今度こそ滅ぼす。
そのはずなのに、あたしの剣は魔王の体を掠りもしない。
ならばいっそあたしが滅ぼされるのも悪くない。
そう思ったのに、魔王は何を考えているのか自ら斬撃の前に
その身を投げ出した。
剣を通して伝わるずしりと重い手ごたえ。
今でも肉を斬る感触が忘れられない。
なのに魔王は間の抜けた顔であたしを見つめるだけ。
痛いだろう?苦しいだろう?憎いだろう?
そう問い掛けたいのに、言葉は何も出てこない。
結局、またも魔王を滅ぼす事は出来なかった。』
653 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:14:17.85 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
『胸のざわめきが治まらない。
今なら魔王を楽に討てる。
わかっているのに足が動かない。
動けと何度も念じるが、まるで自分の体が大地に縫い付けられたように
ビクともしない。』
654 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:16:07.46 ID:L+dgg3mE0
△の月△の日
『あたしは何をしようとしているのだろう。
足は自然と魔王を追っている。
昨日はあれ程動かなかったというのに。
もし、魔王を見つけたらあたしはどうするのだろう?
今度こそ滅ぼすのか。
それとも・・・。』
656 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:18:15.69 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
『やってしまった。
魔王の撤退速度はあたしの傷のせいで思うように進まなかったようで
一日遅れでも十分に捕まえる事ができた。
今度こそ戸惑うな。
必ず滅ぼす。
そう思い剣に手を掛けようとした瞬間、魔王の体がぐらりと傾いた。
あたしは何の躊躇もなく飛び出していた。
そこから先の事は思い出したくない。
ただ、周りの魔物が襲ってこなかった事を考えると
あたしがした事は間違いではなかったのかもしれない。』
658 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:22:15.38 ID:L+dgg3mE0
◇の月□の日
『魔王達が無事に撤退できたのを見届けた。
あたしも酷く疲れた。
今は何処でゆっくりと休みたい。』
661 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:24:13.85 ID:L+dgg3mE0
◇の月△の日
『体を休ませる事の出来る場所を探していたら、目を見張るような湖畔を見つけた。
こんなにも深い森の中に、あれ程見事な場所があるなんて。
せっかくなのでこの付近で休息を取る事にしよう。』
663 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:26:23.45 ID:L+dgg3mE0
◇の月×の日
『自分の心がわからない。
湖畔を眺めていると、何者かの気配を感じるので振り返ると
そこには魔王の姿があった。
だけど戦いたいとは思わなかった。
心が麻痺してしまったのかと思ったが、違う。
確かにあの時、あたしは魔王に慈しみを感じていたのだ。
滅ぼすべき相手に決して持ってはいけない感情を。』
664 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:28:59.67 ID:L+dgg3mE0
○の月○の日
『胸が痛む。
剣を振っても、美しい湖畔を眺めても。
胸の奥で疼く痛みは酷くなるばかり。
どうすればこの痛みは治まる?
全ての景色が色あせて見える。
今日はもう眠ろう。』
667 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:31:35.64 ID:L+dgg3mE0
○の月×の日
『帰ろう。
きっとあたしは戦う事に嫌気が差したのだ。
だから魔王を討つ事ができないんだ。
こんな気持ちで戦えば簡単に死ぬのは目に見えている。
死ぬ。
肉体が滅ぶ。
この世から自分という存在が消える。
そうだ、あたしは死ぬのが怖いんだ。
だから帰ろう。
戦いのない場所へ・・・。』
671 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:34:06.54 ID:L+dgg3mE0
×の月□の日
『どれだけ歩いたのか。
気が付いたら、何処かの大きな街に辿り着いていた。
もう戦う必要はない。
使命も何も関係ない。
あたしはここで、ただの女として暮らすのだから。』
672 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:36:18.35 ID:L+dgg3mE0
×の月▽の日
『ずっと戦いに明け暮れていた日々が遠い昔のように感じる。
幸い路銀は十二分に稼いである。
こうして過ごしてみると、市井の女というのも悪くはない。
人並みの幸せとはこういう事を言うのかもしれない。』
674 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:38:49.06 ID:L+dgg3mE0
×の月△の日
『今日、初めて家庭料理を作ってみた。
いつもは簡単に肉を焼くだけとかだが、せっかく時間があるのだ。
色々試してみても罰は当たるまい。
そう思い、宿の厨房を借りたのだが・・・。
どうやらあたしには家庭料理は向いていないようだ。』
676 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:41:08.00 ID:L+dgg3mE0
×の月○の日
『宿の主人が美味しいお茶の葉が手に入ったというので、幾つか分けて頂いた。
給仕係の手付きを真似て自分で淹れてみたが、悪くない。
我ながら単純だとは思うが、これなら上手くやれそうだ。
明日は市場にでも行って本格的にお茶の道具でも揃えてみるか。』
678 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:45:03.95 ID:L+dgg3mE0
×の月×の日
『少し張り切りすぎてしまったようだ。
まさかお茶の道具があんなに奥深いものだとは思いもよらなかった。
何事も一歩ずつが大切なのだという事を改めて思い知った一日だった。』
680 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:47:17.51 ID:L+dgg3mE0
×の月◇の日
『ずっと忘れていたのに。
夢を見た。
魔王の夢。
滅ぼすべき相手の夢。
あたしに微笑んでくれた相手の夢。
まただ。
また魔王の事を考えると胸が痛む。
何故?
これが魔王の力だとでもいうのだろうか。
わからない。
わからないのに、とても魔王に会いたい。
会って、自分の心を確かめたい。』
681 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:50:00.70 ID:L+dgg3mE0
□の月○の日
『この世は理不尽に溢れていると思っていたが、少しだけ望みも叶うのかもしれない。
あたしの目に前に立つ男。
見た目こそただの人間だが、あたしにはわかる。
間違いない、魔王だ。
昨日あれ程願ったのだ。
夢ではないかと最初は疑ったものだ。
だが、この間の抜け具合は見紛う事なき魔王そのもの。
そうだ、こんな人間の居る町に姿を一人で現すなどあの魔王しかありえない。
そう思うとあたしの心はおかしなぐらい喜んでいた。』
683 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:52:54.01 ID:L+dgg3mE0
□の月○の日(続き)
『だが、もし万が一にでも街で魔王の正体が露見してはまずい。
あたしはいつかの無抵抗の魔物を思い出し、慌てて魔王を連れて
泊まっている宿へと向かった。
魔王は終始ソワソワとあたしの部屋を眺めていた。
そんなに珍しいのだろうか?
気になったあたしはお茶を淹れて尋ねてみると、
あたしの住む場所だから気になったと言う。
本当にこいつは変わった奴だ。
でも、そんな変な奴相手にあたしは今まで感じた事がないくらい
安らぎを感じていた。
もっと魔王と話をしてみたい。
もっと魔王の事を知りたい。
もっと魔王と一緒に・・・居たいと。』
686 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:55:19.04 ID:L+dgg3mE0
□の月◇の日
『気が付けば、あっという間に日が過ぎていた。
不思議だ。
あれ程痛かった胸の疼きが今はなんともない。
ただあるのは、強く溢れ出す思い。
そうだ、どう足掻いてもあたしが勇者である事は変わらないし
あいつが魔王である事も変わらない。
ならば、その役目をあたしは貫いてみせる。
待っていろ、魔王。
あたしはあたしの方法でお前を討ってみせるぞ!』
690 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:59:43.83 ID:L+dgg3mE0
一気に駆け足で投下しましたが、これで何とか魔王側と並びました。
以降は魔王と勇者、両方の日記を同時進行で投下させて頂きたいと思います。
残りの日記もあと少し。
今しばらくお付き合いして頂ければ嬉しく思います。
697 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:03:03.90 ID:L+dgg3mE0
□の月×の日
「勇者が私の元へと再びやってきた。
だがその表情は力強く、一切の迷いが無い。
それでこそ私の勇者だ!
配下の者も、湖畔の彼女も私達の変化に戸惑っているようだ。」
□の月×の日
『迷いは一切ない。
ずっと重かった剣が嘘のように軽かった。
さぁ、踊ろう魔王。
2人だけの輪舞を。
あたし達の役目を舞台に!』
709 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:18:47.35 ID:L+dgg3mE0
□の月▽の日
「湖畔で勇者と会った。
無論約束などしていない。
しかし勇者が居る事はわかっていた。
言葉は何もない。
ただ月明かりだけが、湖と私達を静かに照らし続けていた。」
710 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:19:20.45 ID:L+dgg3mE0
□の月▽の日
『湖畔で魔王を待った。
それから程なくしてあいつは現れた。
言葉も約束もない。
でも、その沈黙が心地よい。
次はいつ会おうか。
なぁ魔王。』
716 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:33:17.75 ID:L+dgg3mE0
□の月□の日
「今日は配下の者が子供に勉学を教えていた。
子供は抜け出そうとしていたが、しっかり彼に捕まえられて大変そうだった。
いつか私も子を授かれば、彼のようになるのだろうか。」
717 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:33:32.39 ID:L+dgg3mE0
□の月□の日
『しばらく鍛錬を怠っていたので、宿の空いてる場所を借りた。
無心に剣を振っていると、心の奥底から喜びが湧いてくる。
凶器を振るって喜びを感じるなど、あたしはきっと狂っているのだろう。
だがこの一振りが、突きが、魔王と踊るステップに思えてならない。
お前は今何をしている?
あたしはこんなにもお前の事を考えているぞ。』
721 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:46:05.33 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
「そういえば最近料理を作っていない事を思い出す。
たまには皆に振舞うとしよう。
もちろん勇者の分もだ。
段々肌寒くなってきたので、暖かい物が良いだろう。」
722 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:46:21.57 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
『今日は珍しいものを見た。
この地方では今の季節に降るもので、雪というらしい。
こんな魔法のようなものが自然現象として現れるなんて。
やはりこの地は変わっている。
肌を刺すような冷たさだが、見ていると不思議と心は暖かくなる。』
733 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:00:28.08 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
「勇者と湖畔でタイヤキを食べた。
湖畔の住人の名物だと彼女が教えてくれたものだ。
初めて作ったので不安だったが、勇者はとても美味しいと言ってくれた。
喜んでくれて本当に良かった。
今度皆にも作ってあげるとしよう。」
734 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:00:44.32 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
『魔王はずるい。
寒いからとあたしにくれた食べ物。
あんなに美味しい物を食べてしまったら、また食べたくなるではないか。
今度はあたしもお茶を持っていくとしよう。
あの甘さなら少し渋めの方がよく合うだろう。』
751 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:13:53.78 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
「眠れない。
それというのも、つい先程眠ったせいなのだが・・・。
違う。
本当は勇者の膝枕が忘れられないだけだ。
困った。
何故勇者はあんなにも良い匂いがするのだろう。
おまけにとても柔らかい。
なんだかこれ以上書くと、とんでもない事を記してしまいそうだ。
頑張って寝るとしよう。」
752 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:14:07.50 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
『困った。
まだ顔が熱い。
魔王のやつ、いきなりあたしに寄り掛かかってきたかと思うと
眠りだしてしまった。
きっと疲れているのだと思い───。
ダメだ。
今日はもう寝よう。』
771 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:24:06.59 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
「人間の少年と出逢った。
てっきり泣かれるか怯えられるかと思ったのに意外にも普通だった。
人間に怯えられないなど、魔王としては失格なのかもしれない。
だが今日の少年を見ると人間とも普通に暮らせるのではないか。
そんな思いが芽生えてしまう。」
772 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:24:20.14 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
『今日は思いも寄らぬ再会があった。
故郷の幼馴染だ。
あたしが勇者として教会に連れられて以来だから、実に何年振りだろう。
見た目こそ変わっていたが、色濃く残る面影はあの頃のままだ。
そう言うと彼女はお互い様だと笑った。
確かにそうかもしれない。
だが一つだけ確実に変わった事はある。
それは彼女が一児の母となっていた事だ。
何処か逞しさを感じさせるのは、母の強さなのかもしれないな。』
783 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:32:26.32 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
「体が熱い。
まるで自分の体じゃない感じだ。
書いている今も熱い。
内側から噴き出るような熱。
私は一体どうしてしまったというのだ。
苦しい・・・。」
784 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:32:43.37 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
『彼女の家庭に招かれた。
残念ながら彼女の夫君は城勤めで、しばらく離れて暮らしているらしい。
それは寂しいだろうと問うと彼女は、子を守らなければならないのに
寂しいなんて言えないと笑顔で答えた。
強いと思う。
あたしなど、あの変わり者の事を考えると寂しさを覚えるというのに。
彼女の強さが少し羨ましい。』
790 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:42:33.84 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
「昨夜あれ程苦しかったのに、今は何ともない。
あれは一体何だったのだろう。
病気の類ではないし、魔王にのみ起こる現象なのだろうか。
しかし先代の残した記述には、それらしいものはない。
とりあえず、もう何ともないので気にしない事にする。」
791 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:42:49.95 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
『家庭。
孤児だったあたしにはずっと縁のないモノ。
あたしにあるのは剣と勇者としての力だけ。
欲しくないと言えば嘘になる。
だが、自分が手に出来るものだとも思えない。
それでも。
それでも願ってよいならば。
あたしは・・・。』
797 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:52:35.71 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
「湖畔に行ったが勇者は居なかった。
たまにはこんな日もあるだろう。
そう思うのだが少し寂しい。
次に会えるのは戦いの場なのか。
やはり私は魔王として勇者と戦うよりも、
ここで同じ時を過ごす方が好きなようだ。」
798 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:52:56.23 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
『そういえば教会から何の通達もないのが気に掛かる。
監視役を付けるくらいだ。
今のあたしの動きも把握しているはずなのに。
一度教会の動きを探ってみる必要がありそうだ。』
805 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:02:05.47 ID:L+dgg3mE0
△の月△の日
「配下の者から火急の報告があった。
人間達の軍勢がここを目指しているらしい。
今まで動きがなかったので考えていなかったが、
元々勇者を送ってきたのは人間達なのだ。
その勇者が私を倒せないのならば、人間達が動き出すのは当然だろう。
以前の私なら怯えていただろうが、今は大丈夫。
きっと彼らともわかりあえるはずだ。
だが、それでも万が一の事を考える必要はあるのかもしれない。」
819 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:10:05.02 ID:L+dgg3mE0
△の月○の日
「配下の者共を、全て湖畔の住人に預けた。
皆は最後まで私と共にいると言ってくれたが、
もし戦いになってしまったら負傷者は避けられない。
思えば本当に私は変わったものだ。
人間に怯え、暮らしていた頃が嘘のようだ。
これも全て、勇者のおかげだ。
魔王の私にまで勇気を授けてしまったのだから、
彼女は本当に素晴らしい勇者になるだろう。」
820 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:10:17.29 ID:L+dgg3mE0
△の月○の日
『バカな!
教会の殲滅部隊を魔物の森に送ったなどと!
あいつらは教会の闇の部分。
表立って行動する事はないはずではなかったのか!
一体あたしの知らない所で何が起きているというのだ。
自分に何が出来るかわからない。
それでも、今は一刻も早く魔王の元へ行かねば。』
841 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:23:37.52 ID:L+dgg3mE0
△の月□の日
「いよいよ明後日、人間達の軍勢がここへとやってくる。
恐怖も不安もない。
大丈夫、彼らとも絶対にわかりあえる。」
850 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:34:17.47 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
「夢を見た。
歴代魔王の夢。
いや、あれは夢ではない。
魔王の歴史そのものだった。
何故私が魔王なのか。
魔王とは何なのか。
何をせねばならないのか。
全てを知ってしまった今、私に出来る事は一つだけ。
勇者よ。
我が愛しき勇者よ。
汝との誓いを破ってしまう事をどうか許して欲しい。」
日記はここで終わってしまっているようだ。
851 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:34:29.28 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
『後少し。
後少しで魔王の元に着く。
神よ、貴方にこのような事を願うのは間違っているとわかっている。
それでも。
どうか、魔王をお守り下さい。』
日記はここで終わってしまっているようだ。
876 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:37:47.53 ID:L+dgg3mE0
という訳で日記はここで終了です。
あ、お願い石は・・・石はらめえぇぇぇ!1!!1
えー、この後なのですがジャンルを日記としているのにもかかわらず
通常のジャンルスレのようにト書きでお送りしたいと思います。
なので、BADEND&日記のまま終わる事を望まれる方は以下のワードを
NGに指定して下さるとありがたく思います。
【魔王&勇者】
では、以上の件を踏まえて最後の物語をお楽しみ下さい。
907 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:43:08.84 ID:L+dgg3mE0
◇の月◇の日
魔王の住処
城を取り囲む漆黒の騎士達
魔王「(ついに来たか・・・。)」
魔王「ようこそ、我が居城へ」
騎士A「そなたが魔王であるか?」
魔王「いかにも」
騎士B「ならば我らがここへ来た理由もお分かりであろう」
騎士C「魔王、覚悟!!」
大地に響く蹄の音
勇者『待ったあああぁぁぁぁ!!』
全員「「「「「「「!?」」」」」」」
勇者『はぁ・・・はぁ・・・っ』
騎士B「そなたは勇者殿・・・。何故止めなさる?」
勇者『この者は確かに魔王だ。だが、決して人間に害など与えていない!
滅ぼす理由がないはずだ!』
騎士A「何をおかしな事を・・・。魔は全て滅ぶべし。
それ以外に何の理由があるというのです?」
勇者『それがおかしいと言うのだ!何故、無害な者を殺す!
彼らは何もあたし達と変わらない。ただ普通に生きているだけなんだぞ!!』
騎士達(ざわざわ・・・ざわざわ・・・)
魔王「勇者・・・」
??「滅ばねば理由・・・。それは他ならぬ魔王自身が理解しておるだろう・・・」
908 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:45:15.41 ID:L+dgg3mE0
勇者『貴方は・・・司教様!』
司教「久しいな、勇者よ」
勇者『司教様!魔王が理解しているとはどういう事なのです!』
魔王「司教殿。構わない、私を討て」
勇者『魔王!!』
魔王「勇者が無理でも、貴方ならば出来よう。」
司教「・・・・・・・・・」
勇者『答えろ魔王!どういう事なのだ!』
魔王「・・・」
勇者『そうか・・・。わかった』
魔王の前に立ち背中を向ける勇者
勇者『お前が答えぬと言うのなら、あたしはお前を守るだけだ』
魔王「!」
勇者『さぁ来い!こいつには指一本触れさせぬ!!』
騎士A「皆の者、勇者殿はご乱心なされてしまったようだ。
仕方がない。貴女も討たせて頂きます」
ガシャンと向けられる刃
司教「待ちなさい」
騎士A「司教様・・・」
司教「このまま理由を話さねば無駄な血が流されよう。
魔王よ、それはそなたも望むまい?」
魔王「(コクリ)」
司教「勇者よ。魔王を滅ぼさねばならぬ理由だったな。
彼はな・・・贄なのだ」
910 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:46:38.10 ID:L+dgg3mE0
勇者『に・・・え・・・?』
司教「そう。この世界に捧げる供物。
そして勇者とは供物を捧げる事のできる唯一の存在。
それが勇者と魔王なのじゃ・・・」
勇者『な・・・』
魔王「そして司教殿。貴方は先代の勇者だ。
もう一度貴方に苦しめという事の重さ、重々承知している上で頼みたい。
私を討ってくれ。」
勇者『魔王!!』
魔王「わかってくれとは言わぬ。だが私が滅びねばこの世界は崩壊してしまうのだ。
勇者もその為に私を討とうとしたのだろう?」
勇者『違う!最初はそうだったかもしれない。
でも今、あたしが滅ぼしたいのはお前を縛る魔王という肩書きだ!!』
魔王「・・・ありがとう、勇者。だが私の体も限界なのだ。
贄とならなかったとしても、どの道私の体はもう長くはない・・・。
同じ滅ぶなら、せめてこの世界の供物となりお前達を守りたいのだ」
勇者『ふざけるな・・・っ、何故お前が滅びねばならん!!
贄なくして存在できぬ世界なら滅びてしまえばいい!!』
魔王「・・・困った事を言うな、勇者よ・・・。私とて滅びたくない・・・。
もっと皆と過ごしたい。もっと・・・勇者と一緒に・・・居たいのだ・・・」
勇者『っ・・・・・・!』
司教「魔王・・・」
魔王「司教殿、最後にもう一つ頼みがある」
司教「なにかね・・・?」
魔王「私が滅びた後も、次代の魔王と勇者が生まれるだろう。
だが、それが魔物と人間の争いの理由にはならぬはずだ。
どうか、どうか争いのない平和な世になるよう勤めて欲しい・・・」
司教「・・・神の名の下、そなたの魂に誓おう」
912 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:48:10.60 ID:L+dgg3mE0
魔王「感謝する。
さぁ、勇者よ。お別れの時間だ」
勇者『・・・魔王よ。あたしは勇者だ。
勇者は魔を滅ぼす者。だからお前はあたしの手で眠りにつかせよう』
魔王「・・・ありがとう・・・」
勇者『だが、眠るのはお前だけじゃない。あたしも一緒だ』
魔王「なっ!ダ、ダメだ!!」
振り向き魔王を抱きしめる勇者
勇者『ふふ・・・こうしてお前を抱きしめるのは初めてだな。
さぁ、もう離さぬぞ?』
魔王「勇者・・・・・・」
勇者『魔王・・・短い間だったがお前と過ごした時間。
とても楽しかったぞ!』
魔王「ああ・・・、私もだ」
静かに呟きあう互いの名
2人『「・・・愛してる・・・」』
辺りに響く刃の音
そして───。
940 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:55:59.02 ID:L+dgg3mE0
─5 years after.─
○の月○の日
『パパといっしょにおべんきょうをした。
むずかしいけどせかいをまなぶのはたいせつなことなのだ。
それにパパはやさしいからおべんきょうもきらいじゃない。
っていったらほめてくれた。
うれしい。
でもママがうらやましそーにみてたのがこわい。
やれやれ。むすめにしっとしないでほしいものだ。
しかたないから、あとでママともあそんであげよう。
そういえば、まえにせんせーがパパとママはえらいひとだって
いってたけど、とてもえらいひとにみえないのはどうしてだろう。
でも、えらくなくてもあたしはパパとママがだいすきだ。
とってもなかよしのパパとママがだいすきだ。
これからもずーっとなかよくいっしょにいようね!』
〜Fin〜
942 :年賀状(来なかった): 投稿日:2006/12/13(水) 23:56:37.97 ID:j7h4TO1K0
>>940
え?
え?
どうなったの?
ハッピーエンド?
943 :猪(子持ち): 投稿日:2006/12/13(水) 23:56:51.89 ID:IKtJ5XvE0
>>940
次世代END!
ktkr!!
945 :書初め(今年こそ素人デビュー): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:20.26 ID:yA7dKGLB0
>>940
。・゚・(ノД`)・゚・。
946 :猪(ピーマンきらい): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:23.85 ID:cKqSb7/N0
あーすっきりした
>>1乙
947 :お年玉(現物支給): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:24.99 ID:tH7a7c+C0
>>940
おおおおお…これは。
948 :寿老人(じゅろうじん): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:33.41 ID:BNndGDRg0
>>940
え?え?え?
はっぴーえんどktkr
950 :猪(汗かき): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:56.95 ID:erSaqROB0
ぬぅうぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。・゚・(ノД`)・゚・。
ゆーしゃとまおうはずっと一緒だぁぁぁぁぁぁ
951 :ほうれん草: 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:57.46 ID:5KsWKTx+0
/ヽ /ヽ
/ ヽ / ヽ
/ ヽ__/ ヽ
/ \
/ / \ |
| ● ● |
|. U (__人__) U | 悲しくないのに
ヽ /
/ \ なぜか泣けてくる・・・
/  ̄ ̄ヽ / ̄ ヽ
ヽ_______/ \__/
953 :猪(左利き): 投稿日:2006/12/13(水) 23:58:24.72 ID:Axm9FRmxO
>>1乙
ちょっとだけ大好き
956 :書初め(今年こそ素人デビュー): 投稿日:2006/12/13(水) 23:58:46.15 ID:yA7dKGLB0
>>1
お友達からお願いしますっ・・・・・・・・・・・・!
962 :コンニャク: 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:19.19 ID:js5DPBl80
2人は世界を変えたんだよね?死ななくて済んでしあわせなんだよね?
よかった
>>1乙!保守がんばってた住人も乙
963 :書初め(点滴必要): 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:26.15 ID:IIyyl/oE0
>>1
乙ですた
965 :おせつ: 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:33.08 ID:WCjzVnnQO
結局魔王は死ななかったって事でFA?
969 :年賀状(気があるってことなのか?): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:06.28 ID:I2A5NlBJ0
>>1
乙
970 :凧(100連): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:12.52 ID:13SBRExh0
1スレで見事完結できたな。>>1乙!!
最後まで見れてすっきりした。楽しい時間をすごせたよ
971 :猪(巨乳): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:15.67 ID:uaQ8HB+80
非常に上手いと思った
972 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:15.84 ID:xl2bUwWZ0
はい、これで正真正銘おしまいです。
最後に投下してよかったかどうかはわかりませんが、
とりあえず物語を完結させる事が出来て本当に良かったです。
賛否両論あるとは思いますが、あくまで素人の投下が終わったという事で。
気に入ってくれた方も気に入らなかった方も( ´._ゝ`)フーン程度でお願いします。
最後に。
支援してくれたみんな、ありがとおおおおおおおお゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚
ノシ
976 :猪(病気がち): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:29.67 ID:0WHvPmE+O
>>1乙
でも何かムズムズする〜
977 :お年玉(なし): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:33.84 ID:xyB/5wtPO
>>1乙華麗!!!!!
良い話をありがとう
978 :サトイモ: 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:45.80 ID:HOZ0SdtL0
乙でした
980 :猪(ギター): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:55.14 ID:iVjtTzhuO
>>1
乙!
981 :猪(禁煙中): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:56.57 ID:6HV1Y6SqO
これは・・・死ななかったってことなの?・・・それとも生まれ変わったとかに勝手な解釈していいの?
982 :おみくじ(犬吉): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:57.93 ID:WuKEEmd10
本当に御疲れ
994 :猪(イタ電中): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:46.69 ID:UPcCvKcb0
>>1乙
カンドーした!!
995 :猪(赤ら顔): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:49.59 ID:18AJsjAk0
1000なら書籍化!!!!!!!!!!11
1000 :猪(でぶ): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:58.95 ID:i93gRev90
1000ならみんな幸せ

○の月□の日
「そういえば勇者が近付いているというのに配下がピンピンしている。
気になったので聞いてみると、勇者はとどめを刺さずに
見逃してくれているらしい。
なんだか優しい人間のようだ。
少し怖くなくなった。」
9 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:39:40.46 ID:FPzNTvwA0
○の月○の日
「再び勇者を見に行く事にした。
勇者は疲労で、とても辛そうな顔をしていた。
可愛そうだったので、それとなく配下に回復薬を落とすよう
指示を出した。
元気になるとよいのだが。」
14 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:44:27.10 ID:FPzNTvwA0
○の月▽の日
「配下の報告によると、勇者は回復薬を飲んだらしい。
元気になった勇者の顔が浮かぶようだ。
あれ程怖かった勇者が今は怖くない。
きっと話せばわかりあえる。
そんな気がする。
こんな事を考える私は魔王失格だろうか。」
19 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:51:01.39 ID:FPzNTvwA0
○の月◇の日
「配下の報告によると勇者は明日にでも到着するようだ。
気に入ってもらえるかわからないが精一杯歓迎をしよう。
こんなにもワクワクするのは配下の誕生日以来だ。
どうか明日が良き日になりますように。」
26 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 19:56:12.05 ID:FPzNTvwA0
×の月○の日
「なんという事だ。
楽しみにしていたのに、勇者の到着が遅れるという。
せっかく腕をふるってご馳走を用意したというのに。
仕方ないので一人で食べた。
ご馳走なのにあまり美味しく感じなかった。」
36 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:01:46.66 ID:FPzNTvwA0
×の月□の日
「悲しい。
ついに勇者がやってきた。
しかし勇者は私の歓迎を受けずに、戦えとしか言わない。
どうして。
盗み食いの事で怒っているのだろうか。
わからない。
戦おうとしない私を見て勇者は去った。
とても辛い。」
48 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:05:27.42 ID:FPzNTvwA0
□の月▽の日
「あれから勇者はこない。
考えたらこれでいいはずなのに。
けど寂しい。
配下の者が慰めようとしてくれているのが辛い。
なぜ私は魔王なのだろう。」
57 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:09:04.75 ID:FPzNTvwA0
□の月○の日
「私は自分の思い付きが恐ろしい。
そうだ。勇者がこないのならこちらから行けばいいのだ。
そうと決まれば、早速配下の者に勇者の動向を探らせなければ。」
63 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:18:35.38 ID:FPzNTvwA0
□の月×の日
「呆気なく勇者は見つかった。
配下の報告では、私を見逃した罪とやらで
牢屋に入れられてしまっていたらしい。
なんという事だ。
人間の為に頑張った勇者を閉じ込めるなんて。
待っていろ。必ず私が助けてやる。」
68 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:27:48.89 ID:FPzNTvwA0
▽の月×の日
「今日は大変な一日だった。
久し振りに会った勇者は可愛そうにとてもやつれていた。
しかし、強い瞳の輝きだけは失われていなかった。
良かった。本当に良かった。
人間達はまた勇者に私の討伐を命じていた。
けど勇者があのまま牢屋に入れられているよりずっといい。」
78 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:35:22.93 ID:FPzNTvwA0
▽の月○の日
「とても清々しい気分だ。
きっと勇者はまたやってくるだろう。
けど今度は戦ってみせる。
勇者の為にも。
何より自分の為にも。
戦って、そして何度でも逃げてみせる。
それがきっと私の役目なのだろうから。」
92 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:44:32.88 ID:FPzNTvwA0
▽の月□の日
「今日は配下の者と共に新しい住処探しをした。
上手く勇者から逃げられても、逃げる場所がないといけない。
こうして転々としていけば私も勇者も大丈夫だ。
我ながら実に良い考えだ。
配下の者共も褒めてくれた。
嬉しい。
ただ勇者に伝える事ができないのが酷く残念だ。」
99 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:51:31.33 ID:FPzNTvwA0
▽の月△の日
「新しい住処が見つかった。
薄暗く深い森だが、近くに美しい湖畔があるのが素晴らしい。
色々と散策をしたい所だが、疲れているのでお預けにした。
勇者と一緒にあの美しい湖畔を眺めたいものだ。」
107 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 20:57:00.30 ID:FPzNTvwA0
▽の月◇の日
「驚いた。
誰もいないと思っていた湖畔に住人がいた。
住人達は初め酷く私を警戒したが、必死の説得で
近くに住む事を許してくれた。
彼女達とも仲良くなりたいものだ。」
117 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:04:56.21 ID:FPzNTvwA0
△の月○の日
「困った。
湖畔の住人の一人が私の配下になりたいと申し出てきた。
しかし彼女はまだ住人の中でも歳幼い。
万が一、戦闘に巻き込んでしまっては大変だ。
だが彼女の決意は固いようだ。
どうしたものか。
勇者が一人なのはこの為なのだろうか。」
128 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:14:02.42 ID:FPzNTvwA0
△の月×の日
「無事に新しい住処も見つかったので、
明日は急いで元の住処へと帰らなければ。
もし勇者が来た時、私が居なかったら大変だ。
それと湖畔の彼女はここの管理を任せる事にした。
少し残念そうだったが、私の意志を汲んでくれたようだ。
次に会う時はお土産を持っていかないと。」
140 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 21:46:11.45 ID:FPzNTvwA0
△の月□の日
「危なかった。
配下の者の報告により、勇者が後1日で到着する事が判明。
急いでドラゴンに乗って向かわねば。
しかし私は高い所が怖い。
勇者よ・・・。どうか私に勇気を。」
145 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:14:11.53 ID:FPzNTvwA0
△の月▽の日
「無事に勇者と会う事ができた。
勇者は私を見ると、静かに剣を構えて向かってきた。
しかし攻撃が一つも私に当たらない。
具合でも悪いのだろうか。
勇者が辛そうにしていたので、当たってみた。
痛かった。
でも勇者が喜ぶなら構わないと思ったのに、当の勇者は
辛い顔のままだった。
どうしてそんな顔をする?
とりあえず、予定通り捨て台詞を残して撤退した。」
ここで勇者側の日記も書いてみたいと思ったのですが、どうでしょ?
146 :猪(甘党): 投稿日:2006/12/11(月) 22:16:06.67 ID:n5ewfNqX0
まず魔王日記を完結させてから目明し編の方が面白い気がする
けどやっぱ自分の書きたいように書いたほうがいいな
147 :初夢(空も飛べるはず): 投稿日:2006/12/11(月) 22:16:50.99 ID:hp+opTECO
>>145
是非に!是非に!!
148 :かき初め(二回目): 投稿日:2006/12/11(月) 22:17:03.44 ID:sgkD29DV0
とにかくwktkするのみ
GJですよ
149 :VIP皇帝: 投稿日:2006/12/11(月) 22:18:21.55 ID:buarz6/TO
作者様に任せます。
個人的にはちょっと見たいw
153 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:35:26.92 ID:FPzNTvwA0
>>146-149
とりあえず魔王の方が一段落ついたら書いてみようかと思います。
もしくはネタに詰まったら・・・。
>>150
ごもっともですorz
△の月△の日
「傷の為、思うように体が動かない。
思ったより深かったようだ。
予定よりも移動速度が思わしくない。
配下の者が運ぶと申し出てくれたが、甘える訳にはいかない。
私は魔王だから。
魔王は決して・・・・・・・・・───」
157 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 22:54:16.43 ID:FPzNTvwA0
◇の月○の日
「昨夜は傷と疲労で撤退途中で力尽きてしまったようだ。
今もまだ意識が朦朧としているが、昨夜見た夢が忘れられない。
勇者が私を介抱してくれるなど夢に決まっている。
きっと巻かれた包帯も配下の者がしてくれたのだろう。
そう思うのに配下に確認したい私がいる。
いや、やはり止めておこう。
皆も疲れているだろうし、今は早く撤退する事が大事だ。」
170 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 23:38:27.62 ID:FPzNTvwA0
◇の月□の日
「どうにか無事に撤退できたようだ。
出迎えてくれた彼女は私の姿を見て気を失ってしまった。
それ程酷い姿なのだろうか?
彼女を介抱しようとしたが、配下に休むよう言われてしまった。
ここは彼の言う事に甘えさせてもらう事にする。」
176 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/11(月) 23:58:09.69 ID:FPzNTvwA0
◇の月△の日
「皆の献身的な治療のおかげで、体はすっかり元に戻った。
なのに私の心には言い知れぬ思いが渦巻いている。
私を傷つけた時の勇者の表情が忘れられないのだ。
配下を見逃してくれる程の心優しい勇者の事だ。
例え私相手でも傷つけるのは忍びなかったのだろうか。
考えれば考えるほどわからなくなる。」
182 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:11:13.05 ID:HGkBulaZ0
◇の月▽の日
「今日は湖畔の住人達が遊びにきてくれた。
しかもお土産に湖畔の近くにある珍しい木の実を持参して。
こんなにも楽しい気分は随分久し振りな気がする。
そう言えば、彼女にお土産を用意するのを忘れてしまっていた。
仕方ないので彼女にその事を詫びると、
私が無事に戻っただけで十分だと言ってくれた。
こんなにも慕われて、私は本当に幸せ者だ。」
189 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:35:52.07 ID:HGkBulaZ0
◇の月×の日
「今日ほど人生で驚いた日はない気がする。
湖畔を散歩していると静かに佇む勇者の姿があった。
また戦いを挑まれるかと思ったのに勇者は私を見つめるだけだった。
そういえば、いつだったか勇者と湖畔を眺めたいと願ったが・・・。
まさか本当に叶う日が来るとは思ってもみなかった。
また会えるだろうか。」
193 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 00:50:59.64 ID:HGkBulaZ0
○の月○の日
「ここの所気分が沈みがちだったが、昨日の勇者との出逢いで元気が出た。
せっかくなので明るく過ごしてみた。
皆も嬉しそうな顔だった。
やはりどんな時も元気を失ってはいけないな。
直接伝える事はできないが、勇者に感謝だ。」
199 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 01:10:31.74 ID:HGkBulaZ0
○の月▽の日
「今日は暇だったので魔王の練習をしてみた。
先代の残した記述によると、魔王とは「引かぬ!媚びぬ!省みぬ!」存在らしい。
何やら私には難しそうだが、頑張ってみるとしよう。」
326 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:13:53.27 ID:HGkBulaZ0
○の月×の日
「やはり勇者の事が気に掛かる。
今思えば湖畔で遇った時、あの強く輝いていた瞳に陰りがあった気がする。
どうにかして勇者と会う事はできないだろうか。
いや、仮に会えたとしても魔王と勇者。
相容れぬ存在なのだから、ゆっくり会話なぞできるはずもないのだが・・・。
どうしたらよいものか。」
335 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:25:27.78 ID:HGkBulaZ0
○の月□の日
「今日はとても嬉しい出来事があった。
なんと湖畔の住人が変化の方法を知っているという。
ただ、その為には色々と必要な物があるらしいのだが関係ない。
絶対に集めて勇者に会ってみせる。」
341 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:37:02.28 ID:HGkBulaZ0
○の月◇の日
「なんという事だ。
後一つ。
後たった一つなのに、必要な物が足りないなんて。
いや、まだだ。
絶対に諦めない。
私は勇者に会うのだ。
その為ならば無い物だって見つけだしてみせる。」
350 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 18:51:21.02 ID:HGkBulaZ0
×の月□の日
「こんなバカな話があるものか。
最後に必要な物が、湖畔の住人だなどと。
誰かを犠牲にして得られる物など、私は欲しくない!
この話は聞かなかった事にしよう。
まだ別の方法があるはずだ。」
355 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:11:02.86 ID:HGkBulaZ0
×の月▽の日
「たまに私は自分の愚かさを恥じる事があるが、
今日は特別酷い。
湖畔の住人が必要だといっても、別に犠牲になる訳ではなかった。
たまたま条件に合う住人が居ないだけの話だったのだ。
本当に私は愚か者だ。
だが、愚かついでに願わくば勇者に会える方法が見つからん事を。」
359 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:24:51.36 ID:HGkBulaZ0
×の月△の日
「欲する物とは、存外近くにあるものだ。
最後に必要な湖畔の住人。
それは彼女の事だった。
私が頼むと、彼女は快く承諾してくれた。」
363 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:40:03.65 ID:HGkBulaZ0
×の月○の日
「ついに勇者に会う為の準備は整った。
だが気分は晴れない。
それというのも今日の出来事が原因だ。
日記を付けている時に彼女に呼ばれた時は、
まさかあんな事を問われるとは思わなかった。
勇者に対する私の思い。
それは一体何なのだろう。
勇者に会えばわかるのだろうか。」
366 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 19:56:14.11 ID:HGkBulaZ0
×の月×の日
「勇者の滞在地がわかった。
後は私が人間に化けて会いに行くだけなのだが、何故か心がざわめく。
やはり彼女に問われた事がひっかかっているのか。
今は考えるのをよそう。
会えばきっとわかる。
そんな予感がする。」
370 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 20:20:10.44 ID:HGkBulaZ0
×の月◇の日
「久し振りの人間の街。
私達の住処と違って、何処か空気が淀んでいる感じがする。
以前おやつを盗み食いに行った村も、こんな感じではなかった。
思えばあれが全ての始まりだった。
勇者は本当にこんな場所に居るのだろうか。」
385 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 20:46:23.71 ID:HGkBulaZ0
□の月○の日
「勇者に遇えた。
驚く事に勇者は私を一目で見破った。
まさか私の事を見抜かれるとは思っても見なかった。
だが勇者は最初こそ、驚きはすれども何をするでもなく、
まるで親しい友人のように宿泊している宿へと招いてくれた。
優しく語り掛けてくる姿は、勇者とは思えない程歳相応の少女にしか見えない。
しかし瞳だけは優しくも強い光を放ち、
彼女が紛れもない勇者である事を示していた。」
390 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 21:00:06.47 ID:HGkBulaZ0
□の月○の月(続き)
「とても不思議な気分だった。
勇者とは特別話をした事がある訳でも、長い時間を共にした訳でもないのに。
何故こんなにも心が安らぐのだろう。
勇者の淹れてくれるお茶が美味しい。
勇者の他愛のない話が心地よい。
勇者の笑顔が美しい。
勇者の全てが・・・とても愛おしい。
そうか。今ならわかる。
これが私の勇者への思いなのだと。
夢のような時間もいつかは終わりを告げるだろう。
だが、願わくばもう少しだけこの時を過ごしていたい。」
400 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/12(火) 21:16:31.15 ID:HGkBulaZ0
□の月◇の日
「私と勇者が、ただの男と女である時間は終わった。
また今日から私達は魔王と勇者になる。
しかしもう、何の迷いも不安もない。
あるのは私が魔王で彼女が勇者であるという事。
世界よ。
私はもう逃げない。
どんな運命があろうと必ず抗い続けてみせる!」
と某ジャ○プの連載打ち切りっぽい幕引きの所で勇者側を投下したいと思います。
イ チ オ ウ カ ン ケ ツ ッ ポ イ デ ス ヨ ネ ?
はい、大いに冗談です。あ、そこ石はらめえぇぇぇぇぇ!11!
投下は事実ですが魔王側の日記もまだ続きます。
それとなんだか自分の一人舞台みたいになってしまっているので
他の書き手の皆様も書いて下さると新ジャンル的には大変嬉しく思います。
それではしばし外出してこなければならないので、行って参ります。
442 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:24:56.20 ID:HGkBulaZ0
それではしばし勇者側の日記を投下させて頂きます。
なお、わかりやすいように魔王日記は「」、勇者日記は『』でくくらせて頂いております。
○の月×の日
『教会から魔物の森に居る魔王を滅ぼせとの勅命を受けて数日。
旅は順調に進んでいる。
魔物が予想外に手強いが、殺すまでもない。
このまま行けば明日にでも近くの村に辿り着けるはずだ。』
451 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:39:21.80 ID:HGkBulaZ0
○の月△の日
『村で魔王に関する情報収集をした。
一体どんな非道を行っているのかと思えば、何もないという。
そんなバカな話があるものかと思ったが、唯一あった事は
食べようと思っていたおやつがなくなった事くらいだと。
本当にこの先に魔王がいるのか?
不安になってくる。』
456 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/12(火) 23:56:57.93 ID:HGkBulaZ0
○の月□の日
『魔物の森とは言ったものだ。
少し進めばワラワラと魔物と遭遇する。
だが、不思議な事に魔物はあたしを見て襲ってくるものの
その様子は殺意というよりも、大切なモノを守る為のような感じがする。
今まで戦ってきた魔物と、ここの魔物は何処か違う気がする。』
460 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:14:11.32 ID:L+dgg3mE0
○の月○の日
『さすがに疲れた。
何処を見渡しても延々と続く深い森に、数多の魔物。
何より一人というのが、やはり精神的にこたえているようだ。
自分が望んだ事で弱気になるとは。
明日からまた頑張らねば。』
467 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:35:49.54 ID:L+dgg3mE0
○の月▽の日
『今日退けた魔物がとても強力な回復薬を落とした。
魔物の実力に似合わぬ収穫に驚いたが、この森では何があっても
不思議ではないかもしれない。
ありがたく頂く事にした。
さぁ、魔王の住処まで一気に頑張るぞ。』
471 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 00:52:10.72 ID:L+dgg3mE0
○の月◇の日
『おかしい。
あまりにも順調過ぎる。
この森の異常に慣れて忘れていたが、相手は魔王。
もしやこれこそが魔王の罠なのかもしれない。
ここは慎重に行くべきかもしれない。』
474 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:04:34.05 ID:L+dgg3mE0
×の月□の日
『ついに魔王の住処に辿り着いた。
だが私を出迎えたのは溢れんばかりの魔力に包まれた魔王ではなく、
エプロン姿の変な魔物だった。
思い出すだけでも、未だにあれが魔王だったとは信じられない。
あたしが戦えと言っても、困った表情を浮かべるばかり。
もしや本当の魔王は別に居て、あれは影武者だったのだろうか。
いや、見た目はおかしかったが感じる気配は間違いなく
魔王の名に相応しいモノだった。
あたしはどうすれば良かったのだろう。
結局何もせずに放っておいてしまったが・・・。
とりあえず一度教会へ戻ろう。
何かの間違いだったのかもしれない。』
480 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:20:39.32 ID:L+dgg3mE0
×の月◇の日
『迂闊だった。
まさか教会が監視役を付けていたとは。
後日、あたしは魔に魅入られたとかで異端審問に掛けられるようだ。
どうなるかはわからない。
所詮、勇者と呼ばれても実態は教会の犬に過ぎないのだ。
用がなくなればこんなものなのかもしれない。
ただ何故か時折、魔王の事が脳裏に浮かぶのだから魅入られたというのも
間違いではないのかもしれない。』
485 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 01:39:42.04 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
『囚われ朽ち果てるだけと半ば生を諦めていた。
そんな時にあの魔王がやってくるとは。
これは運命なのか?
あたしに魔王を滅ぼせという天啓なのだろうか。
いや、きっとそうに違いない。
ならばあたしは従おう。
教会の命令など知った事ではない。
あたしが従うのは勇者としても使命。
必ずやこの手で魔王を打ち滅ぼす!』
489 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 02:05:23.84 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
『もう二度と戸惑わない。
例え相手が何であろうと、必ず倒す。
それがあたしの勇者としての使命。』
もう少し進めたかったのですが、そろそろ寝ないと明日に障るので
本日はここまでとさせて頂きます。
支援して下さった皆様に多大な感謝を。
632 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI: 投稿日:2006/12/13(水) 18:45:11.76 ID:L+dgg3mE0
闇の季節○の日
「我が魔王城に勇者共が近付いてると報告があった。
ふざけた事に奴等は魔王討伐の装備を持っていないという。
実に愚かな連中だ。
そんな愚か者達は我が手で伝説の武具の場所まで案内してくれる。
全く、手の掛かる勇者共で困ったモノだ。」
633 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 18:47:25.07 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
『嫌なモノを見た。
人間達が無抵抗の魔物を襲っている姿。
人間と魔物は相容れぬ存在。
お互いを見れば戦うがさだめ。
なのに何故、あの光景を見て嫌なモノだと感じる。
わからない。』
636 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 19:02:28.62 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
『昨日のモヤモヤが晴れない。
吹っ切るように何度剣を振るっても心が晴れない。
もうすぐ以前立ち寄った村に着く。
そこで頭でも冷やす事にしよう。』
645 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 19:54:50.85 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
『人間と魔物が共存する。
そんな事在り得るはずがない。
たまたま立ち寄った村の外れの一軒家。
そこに魔物の姿を確認したあたしは、村に害をなす前に
倒そうとするが一人の男が立ちはだかった。
男は魔物を庇い、自分の妻だと言い出した。
きっとこの男は魔物に魅了されているのだと思ったのに
魔物は自分の命を差し出すから男を見逃してくれと懇願し出した。
訳がわからない。
結局魔王の時と同じ過ちを繰り返してしまった。
勇者は魔を滅ぼす者。
だけど、あたしは・・・。』
648 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:08:34.52 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
『気分が悪い。
あたしは勇者だ。
だから魔を滅ぼす。
そう決めたはずなのに。
そう自分に誓ったはずなのに。
一体あたしはどうしたというのだろう。』
649 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:09:45.86 ID:L+dgg3mE0
△の月□の日
『握る剣が重い。
気が付けば魔王の住処まで後僅かだ。
魔王を滅ぼせばこのモヤモヤも消えるのだろうか。』
651 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:11:38.39 ID:L+dgg3mE0
△の月▽の日
『魔王と対峙した。
今度こそ滅ぼす。
そのはずなのに、あたしの剣は魔王の体を掠りもしない。
ならばいっそあたしが滅ぼされるのも悪くない。
そう思ったのに、魔王は何を考えているのか自ら斬撃の前に
その身を投げ出した。
剣を通して伝わるずしりと重い手ごたえ。
今でも肉を斬る感触が忘れられない。
なのに魔王は間の抜けた顔であたしを見つめるだけ。
痛いだろう?苦しいだろう?憎いだろう?
そう問い掛けたいのに、言葉は何も出てこない。
結局、またも魔王を滅ぼす事は出来なかった。』
653 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:14:17.85 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
『胸のざわめきが治まらない。
今なら魔王を楽に討てる。
わかっているのに足が動かない。
動けと何度も念じるが、まるで自分の体が大地に縫い付けられたように
ビクともしない。』
654 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:16:07.46 ID:L+dgg3mE0
△の月△の日
『あたしは何をしようとしているのだろう。
足は自然と魔王を追っている。
昨日はあれ程動かなかったというのに。
もし、魔王を見つけたらあたしはどうするのだろう?
今度こそ滅ぼすのか。
それとも・・・。』
656 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:18:15.69 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
『やってしまった。
魔王の撤退速度はあたしの傷のせいで思うように進まなかったようで
一日遅れでも十分に捕まえる事ができた。
今度こそ戸惑うな。
必ず滅ぼす。
そう思い剣に手を掛けようとした瞬間、魔王の体がぐらりと傾いた。
あたしは何の躊躇もなく飛び出していた。
そこから先の事は思い出したくない。
ただ、周りの魔物が襲ってこなかった事を考えると
あたしがした事は間違いではなかったのかもしれない。』
658 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:22:15.38 ID:L+dgg3mE0
◇の月□の日
『魔王達が無事に撤退できたのを見届けた。
あたしも酷く疲れた。
今は何処でゆっくりと休みたい。』
661 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:24:13.85 ID:L+dgg3mE0
◇の月△の日
『体を休ませる事の出来る場所を探していたら、目を見張るような湖畔を見つけた。
こんなにも深い森の中に、あれ程見事な場所があるなんて。
せっかくなのでこの付近で休息を取る事にしよう。』
663 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:26:23.45 ID:L+dgg3mE0
◇の月×の日
『自分の心がわからない。
湖畔を眺めていると、何者かの気配を感じるので振り返ると
そこには魔王の姿があった。
だけど戦いたいとは思わなかった。
心が麻痺してしまったのかと思ったが、違う。
確かにあの時、あたしは魔王に慈しみを感じていたのだ。
滅ぼすべき相手に決して持ってはいけない感情を。』
664 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:28:59.67 ID:L+dgg3mE0
○の月○の日
『胸が痛む。
剣を振っても、美しい湖畔を眺めても。
胸の奥で疼く痛みは酷くなるばかり。
どうすればこの痛みは治まる?
全ての景色が色あせて見える。
今日はもう眠ろう。』
667 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:31:35.64 ID:L+dgg3mE0
○の月×の日
『帰ろう。
きっとあたしは戦う事に嫌気が差したのだ。
だから魔王を討つ事ができないんだ。
こんな気持ちで戦えば簡単に死ぬのは目に見えている。
死ぬ。
肉体が滅ぶ。
この世から自分という存在が消える。
そうだ、あたしは死ぬのが怖いんだ。
だから帰ろう。
戦いのない場所へ・・・。』
671 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:34:06.54 ID:L+dgg3mE0
×の月□の日
『どれだけ歩いたのか。
気が付いたら、何処かの大きな街に辿り着いていた。
もう戦う必要はない。
使命も何も関係ない。
あたしはここで、ただの女として暮らすのだから。』
672 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:36:18.35 ID:L+dgg3mE0
×の月▽の日
『ずっと戦いに明け暮れていた日々が遠い昔のように感じる。
幸い路銀は十二分に稼いである。
こうして過ごしてみると、市井の女というのも悪くはない。
人並みの幸せとはこういう事を言うのかもしれない。』
674 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:38:49.06 ID:L+dgg3mE0
×の月△の日
『今日、初めて家庭料理を作ってみた。
いつもは簡単に肉を焼くだけとかだが、せっかく時間があるのだ。
色々試してみても罰は当たるまい。
そう思い、宿の厨房を借りたのだが・・・。
どうやらあたしには家庭料理は向いていないようだ。』
676 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:41:08.00 ID:L+dgg3mE0
×の月○の日
『宿の主人が美味しいお茶の葉が手に入ったというので、幾つか分けて頂いた。
給仕係の手付きを真似て自分で淹れてみたが、悪くない。
我ながら単純だとは思うが、これなら上手くやれそうだ。
明日は市場にでも行って本格的にお茶の道具でも揃えてみるか。』
678 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:45:03.95 ID:L+dgg3mE0
×の月×の日
『少し張り切りすぎてしまったようだ。
まさかお茶の道具があんなに奥深いものだとは思いもよらなかった。
何事も一歩ずつが大切なのだという事を改めて思い知った一日だった。』
680 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:47:17.51 ID:L+dgg3mE0
×の月◇の日
『ずっと忘れていたのに。
夢を見た。
魔王の夢。
滅ぼすべき相手の夢。
あたしに微笑んでくれた相手の夢。
まただ。
また魔王の事を考えると胸が痛む。
何故?
これが魔王の力だとでもいうのだろうか。
わからない。
わからないのに、とても魔王に会いたい。
会って、自分の心を確かめたい。』
681 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:50:00.70 ID:L+dgg3mE0
□の月○の日
『この世は理不尽に溢れていると思っていたが、少しだけ望みも叶うのかもしれない。
あたしの目に前に立つ男。
見た目こそただの人間だが、あたしにはわかる。
間違いない、魔王だ。
昨日あれ程願ったのだ。
夢ではないかと最初は疑ったものだ。
だが、この間の抜け具合は見紛う事なき魔王そのもの。
そうだ、こんな人間の居る町に姿を一人で現すなどあの魔王しかありえない。
そう思うとあたしの心はおかしなぐらい喜んでいた。』
683 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:52:54.01 ID:L+dgg3mE0
□の月○の日(続き)
『だが、もし万が一にでも街で魔王の正体が露見してはまずい。
あたしはいつかの無抵抗の魔物を思い出し、慌てて魔王を連れて
泊まっている宿へと向かった。
魔王は終始ソワソワとあたしの部屋を眺めていた。
そんなに珍しいのだろうか?
気になったあたしはお茶を淹れて尋ねてみると、
あたしの住む場所だから気になったと言う。
本当にこいつは変わった奴だ。
でも、そんな変な奴相手にあたしは今まで感じた事がないくらい
安らぎを感じていた。
もっと魔王と話をしてみたい。
もっと魔王の事を知りたい。
もっと魔王と一緒に・・・居たいと。』
686 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:55:19.04 ID:L+dgg3mE0
□の月◇の日
『気が付けば、あっという間に日が過ぎていた。
不思議だ。
あれ程痛かった胸の疼きが今はなんともない。
ただあるのは、強く溢れ出す思い。
そうだ、どう足掻いてもあたしが勇者である事は変わらないし
あいつが魔王である事も変わらない。
ならば、その役目をあたしは貫いてみせる。
待っていろ、魔王。
あたしはあたしの方法でお前を討ってみせるぞ!』
690 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 20:59:43.83 ID:L+dgg3mE0
一気に駆け足で投下しましたが、これで何とか魔王側と並びました。
以降は魔王と勇者、両方の日記を同時進行で投下させて頂きたいと思います。
残りの日記もあと少し。
今しばらくお付き合いして頂ければ嬉しく思います。
697 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:03:03.90 ID:L+dgg3mE0
□の月×の日
「勇者が私の元へと再びやってきた。
だがその表情は力強く、一切の迷いが無い。
それでこそ私の勇者だ!
配下の者も、湖畔の彼女も私達の変化に戸惑っているようだ。」
□の月×の日
『迷いは一切ない。
ずっと重かった剣が嘘のように軽かった。
さぁ、踊ろう魔王。
2人だけの輪舞を。
あたし達の役目を舞台に!』
709 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:18:47.35 ID:L+dgg3mE0
□の月▽の日
「湖畔で勇者と会った。
無論約束などしていない。
しかし勇者が居る事はわかっていた。
言葉は何もない。
ただ月明かりだけが、湖と私達を静かに照らし続けていた。」
710 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:19:20.45 ID:L+dgg3mE0
□の月▽の日
『湖畔で魔王を待った。
それから程なくしてあいつは現れた。
言葉も約束もない。
でも、その沈黙が心地よい。
次はいつ会おうか。
なぁ魔王。』
716 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:33:17.75 ID:L+dgg3mE0
□の月□の日
「今日は配下の者が子供に勉学を教えていた。
子供は抜け出そうとしていたが、しっかり彼に捕まえられて大変そうだった。
いつか私も子を授かれば、彼のようになるのだろうか。」
717 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:33:32.39 ID:L+dgg3mE0
□の月□の日
『しばらく鍛錬を怠っていたので、宿の空いてる場所を借りた。
無心に剣を振っていると、心の奥底から喜びが湧いてくる。
凶器を振るって喜びを感じるなど、あたしはきっと狂っているのだろう。
だがこの一振りが、突きが、魔王と踊るステップに思えてならない。
お前は今何をしている?
あたしはこんなにもお前の事を考えているぞ。』
721 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:46:05.33 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
「そういえば最近料理を作っていない事を思い出す。
たまには皆に振舞うとしよう。
もちろん勇者の分もだ。
段々肌寒くなってきたので、暖かい物が良いだろう。」
722 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 21:46:21.57 ID:L+dgg3mE0
▽の月◇の日
『今日は珍しいものを見た。
この地方では今の季節に降るもので、雪というらしい。
こんな魔法のようなものが自然現象として現れるなんて。
やはりこの地は変わっている。
肌を刺すような冷たさだが、見ていると不思議と心は暖かくなる。』
733 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:00:28.08 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
「勇者と湖畔でタイヤキを食べた。
湖畔の住人の名物だと彼女が教えてくれたものだ。
初めて作ったので不安だったが、勇者はとても美味しいと言ってくれた。
喜んでくれて本当に良かった。
今度皆にも作ってあげるとしよう。」
734 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:00:44.32 ID:L+dgg3mE0
▽の月△の日
『魔王はずるい。
寒いからとあたしにくれた食べ物。
あんなに美味しい物を食べてしまったら、また食べたくなるではないか。
今度はあたしもお茶を持っていくとしよう。
あの甘さなら少し渋めの方がよく合うだろう。』
751 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:13:53.78 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
「眠れない。
それというのも、つい先程眠ったせいなのだが・・・。
違う。
本当は勇者の膝枕が忘れられないだけだ。
困った。
何故勇者はあんなにも良い匂いがするのだろう。
おまけにとても柔らかい。
なんだかこれ以上書くと、とんでもない事を記してしまいそうだ。
頑張って寝るとしよう。」
752 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:14:07.50 ID:L+dgg3mE0
▽の月×の日
『困った。
まだ顔が熱い。
魔王のやつ、いきなりあたしに寄り掛かかってきたかと思うと
眠りだしてしまった。
きっと疲れているのだと思い───。
ダメだ。
今日はもう寝よう。』
771 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:24:06.59 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
「人間の少年と出逢った。
てっきり泣かれるか怯えられるかと思ったのに意外にも普通だった。
人間に怯えられないなど、魔王としては失格なのかもしれない。
だが今日の少年を見ると人間とも普通に暮らせるのではないか。
そんな思いが芽生えてしまう。」
772 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:24:20.14 ID:L+dgg3mE0
▽の月□の日
『今日は思いも寄らぬ再会があった。
故郷の幼馴染だ。
あたしが勇者として教会に連れられて以来だから、実に何年振りだろう。
見た目こそ変わっていたが、色濃く残る面影はあの頃のままだ。
そう言うと彼女はお互い様だと笑った。
確かにそうかもしれない。
だが一つだけ確実に変わった事はある。
それは彼女が一児の母となっていた事だ。
何処か逞しさを感じさせるのは、母の強さなのかもしれないな。』
783 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:32:26.32 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
「体が熱い。
まるで自分の体じゃない感じだ。
書いている今も熱い。
内側から噴き出るような熱。
私は一体どうしてしまったというのだ。
苦しい・・・。」
784 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:32:43.37 ID:L+dgg3mE0
▽の月○の日
『彼女の家庭に招かれた。
残念ながら彼女の夫君は城勤めで、しばらく離れて暮らしているらしい。
それは寂しいだろうと問うと彼女は、子を守らなければならないのに
寂しいなんて言えないと笑顔で答えた。
強いと思う。
あたしなど、あの変わり者の事を考えると寂しさを覚えるというのに。
彼女の強さが少し羨ましい。』
790 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:42:33.84 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
「昨夜あれ程苦しかったのに、今は何ともない。
あれは一体何だったのだろう。
病気の類ではないし、魔王にのみ起こる現象なのだろうか。
しかし先代の残した記述には、それらしいものはない。
とりあえず、もう何ともないので気にしない事にする。」
791 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:42:49.95 ID:L+dgg3mE0
△の月◇の日
『家庭。
孤児だったあたしにはずっと縁のないモノ。
あたしにあるのは剣と勇者としての力だけ。
欲しくないと言えば嘘になる。
だが、自分が手に出来るものだとも思えない。
それでも。
それでも願ってよいならば。
あたしは・・・。』
797 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:52:35.71 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
「湖畔に行ったが勇者は居なかった。
たまにはこんな日もあるだろう。
そう思うのだが少し寂しい。
次に会えるのは戦いの場なのか。
やはり私は魔王として勇者と戦うよりも、
ここで同じ時を過ごす方が好きなようだ。」
798 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 22:52:56.23 ID:L+dgg3mE0
△の月×の日
『そういえば教会から何の通達もないのが気に掛かる。
監視役を付けるくらいだ。
今のあたしの動きも把握しているはずなのに。
一度教会の動きを探ってみる必要がありそうだ。』
805 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:02:05.47 ID:L+dgg3mE0
△の月△の日
「配下の者から火急の報告があった。
人間達の軍勢がここを目指しているらしい。
今まで動きがなかったので考えていなかったが、
元々勇者を送ってきたのは人間達なのだ。
その勇者が私を倒せないのならば、人間達が動き出すのは当然だろう。
以前の私なら怯えていただろうが、今は大丈夫。
きっと彼らともわかりあえるはずだ。
だが、それでも万が一の事を考える必要はあるのかもしれない。」
819 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:10:05.02 ID:L+dgg3mE0
△の月○の日
「配下の者共を、全て湖畔の住人に預けた。
皆は最後まで私と共にいると言ってくれたが、
もし戦いになってしまったら負傷者は避けられない。
思えば本当に私は変わったものだ。
人間に怯え、暮らしていた頃が嘘のようだ。
これも全て、勇者のおかげだ。
魔王の私にまで勇気を授けてしまったのだから、
彼女は本当に素晴らしい勇者になるだろう。」
820 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:10:17.29 ID:L+dgg3mE0
△の月○の日
『バカな!
教会の殲滅部隊を魔物の森に送ったなどと!
あいつらは教会の闇の部分。
表立って行動する事はないはずではなかったのか!
一体あたしの知らない所で何が起きているというのだ。
自分に何が出来るかわからない。
それでも、今は一刻も早く魔王の元へ行かねば。』
841 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:23:37.52 ID:L+dgg3mE0
△の月□の日
「いよいよ明後日、人間達の軍勢がここへとやってくる。
恐怖も不安もない。
大丈夫、彼らとも絶対にわかりあえる。」
850 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:34:17.47 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
「夢を見た。
歴代魔王の夢。
いや、あれは夢ではない。
魔王の歴史そのものだった。
何故私が魔王なのか。
魔王とは何なのか。
何をせねばならないのか。
全てを知ってしまった今、私に出来る事は一つだけ。
勇者よ。
我が愛しき勇者よ。
汝との誓いを破ってしまう事をどうか許して欲しい。」
日記はここで終わってしまっているようだ。
851 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:34:29.28 ID:L+dgg3mE0
◇の月○の日
『後少し。
後少しで魔王の元に着く。
神よ、貴方にこのような事を願うのは間違っているとわかっている。
それでも。
どうか、魔王をお守り下さい。』
日記はここで終わってしまっているようだ。
876 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:37:47.53 ID:L+dgg3mE0
という訳で日記はここで終了です。
あ、お願い石は・・・石はらめえぇぇぇ!1!!1
えー、この後なのですがジャンルを日記としているのにもかかわらず
通常のジャンルスレのようにト書きでお送りしたいと思います。
なので、BADEND&日記のまま終わる事を望まれる方は以下のワードを
NGに指定して下さるとありがたく思います。
【魔王&勇者】
では、以上の件を踏まえて最後の物語をお楽しみ下さい。
907 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:43:08.84 ID:L+dgg3mE0
◇の月◇の日
魔王の住処
城を取り囲む漆黒の騎士達
魔王「(ついに来たか・・・。)」
魔王「ようこそ、我が居城へ」
騎士A「そなたが魔王であるか?」
魔王「いかにも」
騎士B「ならば我らがここへ来た理由もお分かりであろう」
騎士C「魔王、覚悟!!」
大地に響く蹄の音
勇者『待ったあああぁぁぁぁ!!』
全員「「「「「「「!?」」」」」」」
勇者『はぁ・・・はぁ・・・っ』
騎士B「そなたは勇者殿・・・。何故止めなさる?」
勇者『この者は確かに魔王だ。だが、決して人間に害など与えていない!
滅ぼす理由がないはずだ!』
騎士A「何をおかしな事を・・・。魔は全て滅ぶべし。
それ以外に何の理由があるというのです?」
勇者『それがおかしいと言うのだ!何故、無害な者を殺す!
彼らは何もあたし達と変わらない。ただ普通に生きているだけなんだぞ!!』
騎士達(ざわざわ・・・ざわざわ・・・)
魔王「勇者・・・」
??「滅ばねば理由・・・。それは他ならぬ魔王自身が理解しておるだろう・・・」
908 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:45:15.41 ID:L+dgg3mE0
勇者『貴方は・・・司教様!』
司教「久しいな、勇者よ」
勇者『司教様!魔王が理解しているとはどういう事なのです!』
魔王「司教殿。構わない、私を討て」
勇者『魔王!!』
魔王「勇者が無理でも、貴方ならば出来よう。」
司教「・・・・・・・・・」
勇者『答えろ魔王!どういう事なのだ!』
魔王「・・・」
勇者『そうか・・・。わかった』
魔王の前に立ち背中を向ける勇者
勇者『お前が答えぬと言うのなら、あたしはお前を守るだけだ』
魔王「!」
勇者『さぁ来い!こいつには指一本触れさせぬ!!』
騎士A「皆の者、勇者殿はご乱心なされてしまったようだ。
仕方がない。貴女も討たせて頂きます」
ガシャンと向けられる刃
司教「待ちなさい」
騎士A「司教様・・・」
司教「このまま理由を話さねば無駄な血が流されよう。
魔王よ、それはそなたも望むまい?」
魔王「(コクリ)」
司教「勇者よ。魔王を滅ぼさねばならぬ理由だったな。
彼はな・・・贄なのだ」
910 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:46:38.10 ID:L+dgg3mE0
勇者『に・・・え・・・?』
司教「そう。この世界に捧げる供物。
そして勇者とは供物を捧げる事のできる唯一の存在。
それが勇者と魔王なのじゃ・・・」
勇者『な・・・』
魔王「そして司教殿。貴方は先代の勇者だ。
もう一度貴方に苦しめという事の重さ、重々承知している上で頼みたい。
私を討ってくれ。」
勇者『魔王!!』
魔王「わかってくれとは言わぬ。だが私が滅びねばこの世界は崩壊してしまうのだ。
勇者もその為に私を討とうとしたのだろう?」
勇者『違う!最初はそうだったかもしれない。
でも今、あたしが滅ぼしたいのはお前を縛る魔王という肩書きだ!!』
魔王「・・・ありがとう、勇者。だが私の体も限界なのだ。
贄とならなかったとしても、どの道私の体はもう長くはない・・・。
同じ滅ぶなら、せめてこの世界の供物となりお前達を守りたいのだ」
勇者『ふざけるな・・・っ、何故お前が滅びねばならん!!
贄なくして存在できぬ世界なら滅びてしまえばいい!!』
魔王「・・・困った事を言うな、勇者よ・・・。私とて滅びたくない・・・。
もっと皆と過ごしたい。もっと・・・勇者と一緒に・・・居たいのだ・・・」
勇者『っ・・・・・・!』
司教「魔王・・・」
魔王「司教殿、最後にもう一つ頼みがある」
司教「なにかね・・・?」
魔王「私が滅びた後も、次代の魔王と勇者が生まれるだろう。
だが、それが魔物と人間の争いの理由にはならぬはずだ。
どうか、どうか争いのない平和な世になるよう勤めて欲しい・・・」
司教「・・・神の名の下、そなたの魂に誓おう」
912 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:48:10.60 ID:L+dgg3mE0
魔王「感謝する。
さぁ、勇者よ。お別れの時間だ」
勇者『・・・魔王よ。あたしは勇者だ。
勇者は魔を滅ぼす者。だからお前はあたしの手で眠りにつかせよう』
魔王「・・・ありがとう・・・」
勇者『だが、眠るのはお前だけじゃない。あたしも一緒だ』
魔王「なっ!ダ、ダメだ!!」
振り向き魔王を抱きしめる勇者
勇者『ふふ・・・こうしてお前を抱きしめるのは初めてだな。
さぁ、もう離さぬぞ?』
魔王「勇者・・・・・・」
勇者『魔王・・・短い間だったがお前と過ごした時間。
とても楽しかったぞ!』
魔王「ああ・・・、私もだ」
静かに呟きあう互いの名
2人『「・・・愛してる・・・」』
辺りに響く刃の音
そして───。
940 :魔王&勇者 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/13(水) 23:55:59.02 ID:L+dgg3mE0
─5 years after.─
○の月○の日
『パパといっしょにおべんきょうをした。
むずかしいけどせかいをまなぶのはたいせつなことなのだ。
それにパパはやさしいからおべんきょうもきらいじゃない。
っていったらほめてくれた。
うれしい。
でもママがうらやましそーにみてたのがこわい。
やれやれ。むすめにしっとしないでほしいものだ。
しかたないから、あとでママともあそんであげよう。
そういえば、まえにせんせーがパパとママはえらいひとだって
いってたけど、とてもえらいひとにみえないのはどうしてだろう。
でも、えらくなくてもあたしはパパとママがだいすきだ。
とってもなかよしのパパとママがだいすきだ。
これからもずーっとなかよくいっしょにいようね!』
〜Fin〜
942 :年賀状(来なかった): 投稿日:2006/12/13(水) 23:56:37.97 ID:j7h4TO1K0
>>940
え?
え?
どうなったの?
ハッピーエンド?
943 :猪(子持ち): 投稿日:2006/12/13(水) 23:56:51.89 ID:IKtJ5XvE0
>>940
次世代END!
ktkr!!
945 :書初め(今年こそ素人デビュー): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:20.26 ID:yA7dKGLB0
>>940
。・゚・(ノД`)・゚・。
946 :猪(ピーマンきらい): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:23.85 ID:cKqSb7/N0
あーすっきりした
>>1乙
947 :お年玉(現物支給): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:24.99 ID:tH7a7c+C0
>>940
おおおおお…これは。
948 :寿老人(じゅろうじん): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:33.41 ID:BNndGDRg0
>>940
え?え?え?
はっぴーえんどktkr
950 :猪(汗かき): 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:56.95 ID:erSaqROB0
ぬぅうぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。・゚・(ノД`)・゚・。
ゆーしゃとまおうはずっと一緒だぁぁぁぁぁぁ
951 :ほうれん草: 投稿日:2006/12/13(水) 23:57:57.46 ID:5KsWKTx+0
/ヽ /ヽ
/ ヽ / ヽ
/ ヽ__/ ヽ
/ \
/ / \ |
| ● ● |
|. U (__人__) U | 悲しくないのに
ヽ /
/ \ なぜか泣けてくる・・・
/  ̄ ̄ヽ / ̄ ヽ
ヽ_______/ \__/
953 :猪(左利き): 投稿日:2006/12/13(水) 23:58:24.72 ID:Axm9FRmxO
>>1乙
ちょっとだけ大好き
956 :書初め(今年こそ素人デビュー): 投稿日:2006/12/13(水) 23:58:46.15 ID:yA7dKGLB0
>>1
お友達からお願いしますっ・・・・・・・・・・・・!
962 :コンニャク: 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:19.19 ID:js5DPBl80
2人は世界を変えたんだよね?死ななくて済んでしあわせなんだよね?
よかった
>>1乙!保守がんばってた住人も乙
963 :書初め(点滴必要): 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:26.15 ID:IIyyl/oE0
>>1
乙ですた
965 :おせつ: 投稿日:2006/12/13(水) 23:59:33.08 ID:WCjzVnnQO
結局魔王は死ななかったって事でFA?
969 :年賀状(気があるってことなのか?): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:06.28 ID:I2A5NlBJ0
>>1
乙
970 :凧(100連): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:12.52 ID:13SBRExh0
1スレで見事完結できたな。>>1乙!!
最後まで見れてすっきりした。楽しい時間をすごせたよ
971 :猪(巨乳): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:15.67 ID:uaQ8HB+80
非常に上手いと思った
972 :まさかの富樫 ◆hPAjjoCLiI : 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:15.84 ID:xl2bUwWZ0
はい、これで正真正銘おしまいです。
最後に投下してよかったかどうかはわかりませんが、
とりあえず物語を完結させる事が出来て本当に良かったです。
賛否両論あるとは思いますが、あくまで素人の投下が終わったという事で。
気に入ってくれた方も気に入らなかった方も( ´._ゝ`)フーン程度でお願いします。
最後に。
支援してくれたみんな、ありがとおおおおおおおお゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚
ノシ
976 :猪(病気がち): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:29.67 ID:0WHvPmE+O
>>1乙
でも何かムズムズする〜
977 :お年玉(なし): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:33.84 ID:xyB/5wtPO
>>1乙華麗!!!!!
良い話をありがとう
978 :サトイモ: 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:45.80 ID:HOZ0SdtL0
乙でした
980 :猪(ギター): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:55.14 ID:iVjtTzhuO
>>1
乙!
981 :猪(禁煙中): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:56.57 ID:6HV1Y6SqO
これは・・・死ななかったってことなの?・・・それとも生まれ変わったとかに勝手な解釈していいの?
982 :おみくじ(犬吉): 投稿日:2006/12/14(木) 00:00:57.93 ID:WuKEEmd10
本当に御疲れ
994 :猪(イタ電中): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:46.69 ID:UPcCvKcb0
>>1乙
カンドーした!!
995 :猪(赤ら顔): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:49.59 ID:18AJsjAk0
1000なら書籍化!!!!!!!!!!11
1000 :猪(でぶ): 投稿日:2006/12/14(木) 00:01:58.95 ID:i93gRev90
1000ならみんな幸せ

この記事へのコメント
1げと
感動したから2げと
新ジャンルっぽくはなかったけど良かった
いー話。
(TT)
(TT)
久しぶりにはむろぐを見たけど
おおたくんスレ選ぶセンスいいね!!
おおたくんスレ選ぶセンスいいね!!
リアルでミター
おおたくんGJJJJJJJJJJ
不覚にも感動した
携帯からだと最後まで読めない…
なぜか黒いラブレターの魔王連想してた…
そのせいで感動できなかったよorz
そのせいで感動できなかったよorz
泣いた…
こんな良スレ久しぶりに見た…
ちょwww大学で見てるのにwwぼろ泣きwwwwww
久々に泣いた
確かに久々に泣いた
このスレ途中、他の書き手が出てきてgdgdだったのに、そういうのを全部消して>>1だけに絞ったのは正解だと思う
真っ先にエンジェル伝説の北野君を連想して
その次にクロノトリガーのジャキを連想。
って考えてたら「ボクと魔王」かいw
と、妄想は置いとくとして
最初から最期まで違和感無く読めて
ほんとに上手いな〜と。
最後に一言。
…良いセンスだ。
その次にクロノトリガーのジャキを連想。
って考えてたら「ボクと魔王」かいw
と、妄想は置いとくとして
最初から最期まで違和感無く読めて
ほんとに上手いな〜と。
最後に一言。
…良いセンスだ。
もうないた・・・;;
見れてよかった
ラスト嬉しさのあまりにやけた
ラスト嬉しさのあまりにやけた
こぉゅぅのキノの旅みたぃで好き♪
携帯だから最後まで見れなぃけど(泣)
携帯だから最後まで見れなぃけど(泣)
感動した…゜・。(ノд`)。・゜
GJ!!
感動したが、乙女ゲー「花帰葬」とかぶりまくりです。有難うございました。
勇者の1人称があたしということで違和感が・・・
かなり下品に感じる
かなり下品に感じる
軽く泣いた。
勇者と魔王が互いを庇いあい
最後抱き合ったとこで。゜(゜ノД`゜)゜。
勇者と魔王が互いを庇いあい
最後抱き合ったとこで。゜(゜ノД`゜)゜。
おもしろいけど最後あたりICOっぽい。
制作者はエウレカセブンが好きだな。
とくに、アネモネがな。
引っかかる天が多かった。
これに気づいた俺は天才。
「欲しくないと言えばウソになる」
「願って良いのなら」
とくに、アネモネがな。
引っかかる天が多かった。
これに気づいた俺は天才。
「欲しくないと言えばウソになる」
「願って良いのなら」
全俺が泣いた
これはガチで泣いた。
やばすぎる。
やばすぎる。
田村由美のBASARAという漫画を思い出した
ボロ泣きしました。
いい話をありがとう。
いい話をありがとう。
こ れ は 泣 け る
GJ
この手の魔王モノはゾーマ様で脳内変換するとグッとくるね
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